「Claude MCPって最近よく聞くけど、結局どのツールが使えるの?」「設定が難しそうで手が出せない…」――そんな声をよく耳にします。2025年後半からMCP(Model Context Protocol)対応ツールが急速に増え、2026年に入った今、ClaudeをハブにしてSlack・Notion・kintone・Googleスプレッドシートなど、日常業務で使うサービスを”AIに直接操作させる”ことが現実的になりました。本記事では、2026年7月時点で実際に使えるClaude MCP対応ツールを一覧で整理し、料金・設定手順・日本の業務現場に合わせた活用シーンまで、非エンジニアの方にもわかるようにまとめます。
そもそもClaude MCPとは?30秒でわかる基本
MCP(Model Context Protocol)とは、ひと言でいえば「AIが外部のツールやデータに安全にアクセスするための接続規格」です。USBケーブルの規格をイメージしてください。USBがどんなメーカーの周辺機器でも統一した差し込み口で使えるように、MCPは「どんなサービスでも統一した方法でAIとつなげる」ための共通ルールです。
Anthropic社(Claudeの開発元)が2024年末にオープンソースとして公開し、2025年〜2026年にかけて対応ツールが爆発的に増加しました。MCPに対応したツールであれば、Claudeに「Slackの#営業チャンネルにある今週の投稿をまとめて」「kintoneの顧客リストからA社の情報を引っ張って」と自然な日本語で指示するだけで、AIが直接そのツールを操作してくれます。
従来はAPI連携のコードを書いたり、Zapierなどで中間の自動化フローを組む必要がありました。MCPを使えば、コードを1行も書かずに、Claudeのチャット画面から直接ツールを動かせるのが最大のメリットです。対応クライアント(MCPを使う側のアプリ)としては、Claude Desktopアプリ、Claude.ai(Web版・Max/Teamプラン)、Cursor、Windsurf、VS Codeなどがあります。非エンジニアの方は、Claude DesktopアプリまたはClaude.aiのWeb版から使うのがもっとも手軽です。
【2026年7月最新】Claude MCP対応ツール一覧
2026年7月時点で、実用レベルでClaude MCPに対応しているツールを、業務カテゴリ別に一覧でまとめました。「公式MCPサーバー」(Anthropicやツール提供元が公式に用意しているもの)と「コミュニティ製MCPサーバー」(有志が開発・公開しているもの)の両方を含みます。
コミュニケーション・チャット系
| ツール名 | MCPサーバー種別 | 主な機能 | 料金への影響 |
|---|---|---|---|
| Slack | 公式 | チャンネルの投稿検索・取得、メッセージ送信、チャンネル一覧取得 | Slack側は無料プランでもAPI利用可(制限あり)。Claude側はPro以上推奨 |
| Chatwork | コミュニティ製 | ルーム内メッセージの取得・送信、タスク作成 | Chatwork APIトークンが必要(無料プランでも発行可) |
| Microsoft Teams | コミュニティ製 | チャット取得、チャンネル投稿取得 | Microsoft 365ライセンスが別途必要 |
ドキュメント・ナレッジ管理系
| ツール名 | MCPサーバー種別 | 主な機能 | 料金への影響 |
|---|---|---|---|
| Notion | 公式 | ページ検索・取得・作成・更新、データベースのクエリ | Notion無料プランでもAPI利用可 |
| Google Drive / Docs | 公式 | ファイル検索・内容取得、Googleドキュメントの読み取り | Googleアカウントがあれば無料で利用可 |
| Confluence | コミュニティ製 | スペース・ページの検索と取得 | Atlassianの有料プランが必要 |
業務アプリ・データベース系
| ツール名 | MCPサーバー種別 | 主な機能 | 料金への影響 |
|---|---|---|---|
| kintone | コミュニティ製 | レコードの検索・取得・作成・更新、アプリ情報の取得 | kintoneスタンダードコース以上(月1,650円/ユーザー〜)が必要 |
| Google スプレッドシート | 公式 | シートの読み取り・書き込み・セル範囲の操作 | Googleアカウントがあれば無料 |
| PostgreSQL / MySQL | 公式 | SQLクエリの実行(読み取り専用モードあり)、テーブル構造の取得 | DB自体の利用料は環境による |
| Airtable | コミュニティ製 | ベースの検索、レコードの読み書き | Airtable無料プランでもAPI利用可(月1,000リクエストまで) |
開発・タスク管理系
| ツール名 | MCPサーバー種別 | 主な機能 | 料金への影響 |
|---|---|---|---|
| GitHub | 公式 | リポジトリ検索、Issue・PR作成、ファイル読み取り | GitHub無料プランでも利用可 |
| Linear | コミュニティ製 | タスクの検索・作成・更新 | Linear無料プランでもAPI利用可 |
| Jira | コミュニティ製 | チケットの検索・取得・作成 | Atlassian無料プラン(10ユーザーまで)でも利用可 |
情報収集・ブラウジング系
| ツール名 | MCPサーバー種別 | 主な機能 | 料金への影響 |
|---|---|---|---|
| Brave Search | 公式 | Web検索、ローカル検索 | Brave Search APIの無料枠(月2,000クエリ)あり |
| Fetch / Puppeteer | 公式 | 指定URLのWebページ取得・スクリーンショット撮影 | 完全無料(ローカル実行) |
| Firecrawl | コミュニティ製 | Webサイトのクロール・構造化データ抽出 | 無料プラン(月500クレジット)あり。有料は月19ドル〜 |
上記以外にも、ファイル操作(Filesystem MCP)、メール送信(Gmail MCP)、カレンダー操作(Google Calendar MCP)など、2026年7月時点で公式・コミュニティ合わせて200以上のMCPサーバーが公開されています。最新のリストはAnthropicの公式ドキュメントおよびGitHubの「awesome-mcp-servers」リポジトリで確認できます。
非エンジニア向け!MCPツールの設定方法を3ステップで解説
「一覧はわかったけど、どうやって設定するの?」という方のために、もっとも手軽なClaude Desktopアプリでの設定方法を、Notionを例にして解説します。2026年7月時点の手順です。
ステップ1:Claude Desktopアプリをインストール
Anthropicの公式サイトからClaude Desktopアプリ(Windows / Mac対応)をダウンロードしてインストールします。無料アカウントでもインストール可能ですが、MCPサーバーを利用するにはClaude Pro(月20ドル=約3,100円)以上のプランが必要です。2026年6月のアップデートにより、Claude Max(月100ドル)、Claude Team(1ユーザー月30ドル)でも利用できます。なお、Claude.aiのWeb版でも、2026年4月からMCPツール接続機能(リモートMCP)が正式に使えるようになり、デスクトップアプリなしでもブラウザから設定可能になりました。
ステップ2:MCPサーバーの設定ファイルを編集
Claude Desktopアプリの場合、設定ファイル(JSON形式)にMCPサーバーの情報を書き込みます。「設定ファイル」と聞くと難しそうですが、実際にはテンプレートをコピーして貼り付けるだけです。
操作手順:
- Claude Desktopアプリのメニューから「Settings(設定)」→「Developer(開発者)」を開く
- 「Edit Config(設定を編集)」ボタンをクリックすると、設定ファイル(claude_desktop_config.json)がテキストエディタで開く
- 以下のようなNotion用MCPサーバーの設定をコピーして貼り付ける
{
"mcpServers": {
"notion": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@notionhq/notion-mcp-server"],
"env": {
"OPENAPI_MCP_HEADERS": "{\"Authorization\": \"Bearer あなたのNotionインテグレーショントークン\", \"Notion-Version\": \"2022-06-28\"}"
}
}
}
}
「あなたのNotionインテグレーショントークン」の部分には、Notionの「設定とメンバー」→「インテグレーション」で発行したトークンを貼り付けます。トークン発行は無料で、Notionのどのプランでも可能です。
前提条件として、Node.js(バージョン18以上)のインストールが必要です。Node.jsは公式サイトからダウンロードしてインストーラを実行するだけで入ります。Claude.aiのWeb版(リモートMCP)を使う場合は、Node.jsのインストールは不要で、ブラウザ上のUIからOAuth認証するだけで接続できるサービスも増えています。
ステップ3:Claude Desktopを再起動して使う
設定ファイルを保存してClaude Desktopアプリを再起動すると、チャット入力欄の下にMCPツールのアイコン(ハンマーマーク🔨)が表示されます。これが見えていれば接続成功です。あとはチャット欄に「Notionの”議事録”データベースから今月のページを一覧にして」と入力するだけで、Claudeが自動的にNotion MCPサーバーを呼び出してデータを取得してくれます。
初回実行時には「このツールの使用を許可しますか?」という確認ダイアログが出ます。内容を確認して「許可」を押せばOKです。セキュリティ面が気になる方は、「今回のみ許可」を選んで都度確認する運用がおすすめです。
日本の業務現場で使える!MCPツール活用シーン5選
設定方法がわかったところで、日本のビジネスパーソンに特に役立つ実践的な活用シーンを5つ紹介します。
活用シーン①:kintone × Claude で顧客対応を効率化
営業部門でkintoneに顧客情報を管理している場合、Claudeに「A社の直近の対応履歴を教えて」と聞くだけで、kintoneのレコードを検索して回答してくれます。さらに「この内容をもとにフォローアップメールの下書きを作って」と続けることで、データ取得→文章作成を一つのチャットで完結できます。従来のように「kintoneを開く→検索する→内容をコピーする→メールソフトに貼り付ける」という手順が不要になり、1件あたり5〜10分の時短が期待できます。
活用シーン②:Slack × Notion で週次報告を自動生成
Slack MCPで今週の#プロジェクトチャンネルの投稿を取得し、Claudeに「この1週間の進捗を要約して、Notionの週次報告ページに書き込んで」と指示します。Slack MCPとNotion MCPの両方を設定しておけば、AIが複数のツールをまたいで作業してくれます。毎週金曜日に30分かけていた報告書作成が、チャット1回の指示で完了します。
活用シーン③:Googleスプレッドシート × Brave Search で競合調査
「Brave Searchで”○○業界 2026年 トレンド”を検索して、結果の上位10件のタイトルとURLをGoogleスプレッドシートに書き込んで」と指示すると、情報収集とデータ整理を一気にやってくれます。マーケティング担当者の定期的な競合調査の工数を大幅に削減できます。
活用シーン④:GitHub × Linear でバグ報告の自動チケット化
非エンジニアのPM(プロジェクトマネージャー)でも、「GitHubのこのリポジトリの最新のIssue一覧を見せて。優先度が高そうなものをLinearにタスクとして登録して」と指示するだけで、開発チーム向けのチケット管理が可能です。技術的な知識がなくても、AIが情報を読み解いて適切にタスク化してくれます。
活用シーン⑤:ローカルファイル × Claude で社内マニュアル検索
Filesystem MCPを使えば、PC上の特定フォルダ内のファイルをClaudeに読ませることができます。「”社内マニュアル”フォルダの中から、経費精算の手順が書いてあるファイルを探して要約して」といった使い方が可能です。社内のナレッジ検索を、AIチャットで自然に行えるようになります。ただし、Filesystem MCPはアクセスを許可するフォルダを設定ファイルで限定できるので、機密性の高いフォルダは除外しておきましょう。
MCPが使える料金プランとChatGPT・Geminiとの比較
MCPツールを使うにあたって気になるのが料金です。2026年7月時点のClaudeの主要プランを整理します。
| プラン名 | 月額料金 | MCP利用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| Free(無料) | 0円 | 不可 | 基本的なチャットのみ |
| Pro | 月20ドル(約3,100円) | 利用可 | 個人向け。MCP接続は最大10サーバーまで |
| Max | 月100ドル(約15,500円)/月200ドル(約31,000円) | 利用可 | ヘビーユーザー向け。利用量の上限が大幅に拡大 |
| Team | 月30ドル/ユーザー(約4,650円) | 利用可 | チーム向け。管理者がMCPサーバーを一括管理可能 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 利用可 | SSO・監査ログ等のセキュリティ機能付き |
個人で試すならProプラン(月20ドル)が最もコスパの良い選択肢です。
では、ChatGPTやGeminiと比べてどうなのでしょうか。
- ChatGPT(GPT-4o):2026年7月時点でMCPへの対応を進めていますが、まだ対応ツール数はClaudeに比べて少なく、主にFunction CallingとGPTsのアクション機能で外部ツール連携を実現しています。外部ツール連携の柔軟性ではClaudeに軍配が上がります。
- Gemini:Google Workspace(Gmail、Googleドキュメント、スプレッドシートなど)との連携は強力ですが、Google以外のサードパーティツールとの連携はまだ発展途上です。MCP規格への対応も限定的です。
- Claude:MCP規格の提唱者であるAnthropicが開発しているため、MCP対応ツールの数と安定性でリードしています。特にNotion、Slack、GitHubなど複数ツールをまたいだ連携の使い勝手が優秀です。
向いている人の目安:Google Workspaceだけで業務が完結している人はGemini、ChatGPTのプラグインやGPTsに慣れている人はChatGPT、SlackやNotionやkintoneなど複数のSaaSを横断してAIに作業させたい人はClaude MCPがベストです。
MCP導入時の注意点とセキュリティ対策
便利なMCPですが、導入前に押さえておきたい注意点があります。
①コミュニティ製MCPサーバーの信頼性
公式MCPサーバー以外のコミュニティ製サーバーは、個人や小規模チームが開発・公開しているものです。GitHubのスター数や最終更新日を必ず確認し、メンテナンスが続いているかチェックしましょう。長期間更新されていないサーバーはセキュリティリスクが高まります。
②APIトークンの管理
MCPサーバーの設定にはツール側のAPIトークンが必要です。このトークンが漏洩すると、第三者にツールを操作されるリスクがあります。設定ファイルを社外に共有しない、APIトークンは定期的にローテーション(再発行)するなどの基本的な対策を行いましょう。
③読み取り専用から始める
初めてMCPを使う方は、まず「データを読み取るだけ」の使い方から始めるのがおすすめです。いきなり「書き込み・更新・削除」の権限を与えると、AIの誤操作でデータを壊してしまう可能性がゼロではありません。慣れてきたら段階的に権限を広げていくのが安全です。
④利用量の上限に注意
Claude Proプランの場合、MCPツールを多用するとトークン(AIが処理するデータ量)の消費が早くなり、利用制限に達することがあります。大量のデータを処理する業務フローでは、Maxプランの検討も必要です。
まとめ:まずは1つのMCPツールから始めてみよう
2026年7月時点で、Claude MCPに対応したツールは200以上に達し、Slack・Notion・kintone・Googleスプレッドシートなど、日本の業務現場で使われている主要サービスのほとんどがカバーされています。設定も、テンプレートをコピペして貼り付けるレベルで始められるため、非エンジニアの方でも十分に活用可能です。
おすすめの最初の一歩は以下の通りです。
- Claude Proプラン(月20ドル)に登録する
- Claude Desktopアプリをインストールする(またはClaude.ai Web版のリモートMCPを使う)
- まずは普段もっともよく使うツール1つ(NotionやGoogleスプレッドシートがおすすめ)のMCPサーバーを設定する
- 「読み取り」系の指示から試してみる
1つのツール連携がうまくいけば、2つ目、3つ目の追加は同じ手順の繰り返しです。AIが複数ツールをまたいで作業してくれる体験は、一度味わうと手放せなくなります。まずは今日、1つのMCPサーバーを設定するところから始めてみてください。







