カウント登録〜初回実行の流れ
Make のシナリオ作成は、以下の5ステップで完結します。初めての方でも30〜60分あれば最初のシナリオを動かせます。
ステップ1:アカウント登録
make.com にアクセスし、メールアドレスまたは Google アカウントで登録します。クレジットカードの登録は不要で、無料プランは即日利用開始できます。登録後はダッシュボードが表示され、左サイドバーから「Scenarios(シナリオ)」を選択して作業を開始します。
ステップ2:新規シナリオの作成
「Create a new scenario」ボタンをクリックすると、白いキャンバス画面が表示されます。中央の「+」マークをクリックしてトリガーモジュールを追加します。トリガーとは「何をきっかけに自動化を開始するか」を定義するブロックです。たとえば「Gmail で新着メールを受信したとき」「Googleフォームに回答が届いたとき」などが代表例です。
ステップ3:アプリの接続(Connection設定)
モジュールを選択すると、対象サービスへのアクセス許可(OAuth認証)が求められます。「Add」または「Connect」ボタンからGoogleやSlackなどにログインし、Make との連携を承認します。一度接続したアプリは次回以降のシナリオでも再利用できます。
ステップ4:アクションモジュールの追加と設定
トリガーの右側に表示される「+」をクリックし、次の処理(アクション)を追加します。たとえば「スプレッドシートに行を追加」「Slackにメッセージを送信」などです。各モジュールの入力欄には、前のモジュールから受け取ったデータ(変数)をドラッグ&ドロップで差し込めます。この「データのマッピング」が Make の核心的な操作です。
ステップ5:テスト実行と有効化
画面下部の「Run once」ボタンでテスト実行します。各モジュールの処理結果がバブル表示で確認でき、どこで問題が起きているか視覚的に把握できます。動作確認後、右上のトグルスイッチを「ON」にすることでシナリオが自動スケジュール実行に切り替わります。
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初心者がつまずきやすい3つのポイント
Make を使い始めた初心者が陥りやすい落とし穴を3つ挙げます。事前に知っておくだけで、試行錯誤の時間を大幅に短縮できます。
①「Save」を押し忘れてシナリオが消える
Make のエディタは自動保存されません。キャンバス左下の「Save」ボタンを意識的に押す習慣をつけてください。特に接続設定後にブラウザを閉じてしまうと、それまでの作業が失われます。こまめな保存が鉄則です。
②データのマッピングミス
前のモジュールから受け取るデータの変数名と、次のモジュールの入力欄が正しく対応していないと、空白データや誤ったデータが流れ込みます。テスト実行後に各モジュールのバブルをクリックして「どんなデータが流れているか」を必ず確認する習慣をつけましょう。
③トリガーの「最大処理件数」を見落とす
Googleスプレッドシートや Gmail をトリガーにする場合、1回のシナリオ実行で処理できる最大件数のデフォルト設定(多くは2件)があります。「なぜ全件処理されないのか」と混乱する初心者が多い箇所です。モジュール設定内の「Maximum number of results」を用途に合わせて変更してください。
副業・ビジネス別:すぐ使える Make 実用シナリオ5選
ここでは、副業・スモールビジネスで実際に役立つ Make シナリオを5つ紹介します。いずれも無料プランまたは Core プランで実現できる構成です。
コンサルタント・起業家向けシナリオ
シナリオ①:問い合わせフォーム → CRM自動登録 → Slack通知
Googleフォームに問い合わせが届いた瞬間、HubSpot や Notion などの CRM にリード情報が自動登録され、同時に Slack の指定チャンネルへ通知が飛びます。手動でのコピペ作業が不要になり、対応漏れも防げます。
- 使用モジュール:Google Forms(Watch Responses)→ HubSpot(Create Contact)→ Slack(Send a Message)
- Ops消費:3 Ops/1件
- 難易度:★★☆(初回のHubSpot連携設定に30分ほど)
シナリオ②:Stripe決済完了 → Googleスプレッドシート記録 → お礼メール自動送信
オンラインで商品・サービスを販売している方向けです。Stripe で決済が完了するたびに、売上スプレッドシートに自動記録し、購入者へのお礼メールを Gmail から送信します。月末の売上集計作業が不要になります。
- 使用モジュール:Stripe(Watch Events)→ Google Sheets(Add a Row)→ Gmail(Send an Email)
- Ops消費:3 Ops/1件
- 難易度:★★☆(Stripe Webhook設定が必要)
スクールオーナー・アフィリエイター向けシナリオ
シナリオ③:RSS新着記事 → ChatGPT要約 → SNS自動投稿
アフィリエイターやコンテンツマーケターに人気の構成です。業界メディアの RSS フィードを監視し、新着記事が出たら ChatGPT API で要約を生成し、Twitter/X や LinkedIn へ自動投稿します。情報発信の手間を大幅に削減できます。
- 使用モジュール:RSS(Watch Items)→ OpenAI(Create a Completion)→ Twitter(Create a Tweet)
- Ops消費:3 Ops/1記事
- 難易度:★★★(OpenAI APIキーの取得・設定が必要。APIの利用料金は別途発生)
シナリオ④:Teachable受講完了 → Google スプレッドシート記録 → 修了証メール送信
オンラインスクール運営者向けです。受講者がコースを完了するたびに、管理スプレッドシートへ自動記録し、受講者へ修了証PDFを添付したメールを送ります。手動管理による送り忘れゼロを実現できます。
- 使用モジュール:Teachable(Watch Enrollments)→ Google Sheets(Add a Row)→ Gmail(Send an Email)
- Ops消費:3 Ops/1件
- 難易度:★★☆
シナリオ⑤:Google スプレッドシートの更新 → LINE通知
日本国内での副業・小規模ビジネスに特有のニーズとして、LINE への通知連携があります。Make には LINE Official Account の公式モジュールがないため、LINE Notify(現在サービス終了予定)または LINE Messaging API を HTTP モジュール経由で呼び出す構成になります。
- 使用モジュール:Google Sheets(Watch Rows)→ HTTP(Make a Request)※LINE Messaging API呼び出し
- Ops消費:2 Ops/1件
- 難易度:★★★(LINE Messaging APIのチャンネル設定・アクセストークン取得が必要)
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日本固有サービスとの連携状況(2024年時点)
日本独自のサービス連携については、以下の通り整理しておきます。
| サービス | 連携方法 | 難易度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| LINE | HTTP モジュール(Messaging API) | ★★★ | 公式モジュールなし。API設定が必要 |
| Chatwork | HTTP モジュール(Chatwork API) | ★★★ | 公式モジュールなし |
| freee | HTTP モジュール(freee API) | ★★★★ | OAuth設定が複雑。要技術知識 |
| マネーフォワード | HTTP モジュール | ★★★★ | API公開範囲に制限あり |
| kintone | 公式モジュールあり | ★★ | サイボウズの国際展開により対応 |
| Slack(日本語) | 公式モジュールあり | ★ | 日本語メッセージも問題なく送受信可 |
| Gmail(日本語) | 公式モジュールあり | ★ | UTF-8設定で文字化け回避可能 |
LINEやChatworkなど日本独自の主要サービスは、現時点では公式モジュールが存在しないため、HTTP モジュールを使った API 直接呼び出しが必要になります。技術的なハードルは上がりますが、Make のコミュニティには日本語での解説記事も増えており、参考にしながら構築することは十分可能です。freee や マネーフォワードとの連携はさらに複雑で、API認証の知識が必要になるため、初心者には難易度が高い領域です。
一方で、kintone はサイボウズの国際展開戦略の一環として公式モジュールが提供されており、比較的スムーズに連携できます。国内企業のDX推進でkintoneを活用しているチームには、Make との組み合わせは有力な選択肢になります。
Make vs Zapier 徹底比較:どちらを選ぶべきか
機能・料金・操作性の比較表
| 比較項目 | Make | Zapier |
|---|---|---|
| 無料プランのOps/Tasks | 1,000 Ops/月 | 100 Tasks/月 |
| 有料プラン最安値 | $10.59/月(年払い) | $19.99/月(年払い) |
| 対応アプリ数 | 2,000以上 | 6,000以上 |
| UI・操作感 | ビジュアルキャンバス型(学習コスト中) | ステップ式(学習コスト低) |
| 複雑なフロー構築 | ◎(ループ・条件分岐が得意) | △(複雑なフローは組みにくい) |
| 日本語対応 | 英語UIのみ | 英語UIのみ |
| 日本固有サービス | kintoneのみ公式対応 | kintoneのみ公式対応(同様) |
| エラー時の対応 | 視覚的に分かりやすい | ログが読みやすい |
ケース別おすすめ判定
両ツールを実際に使った経験から、以下のように使い分けることをおすすめします。
Make がおすすめのケース
- コストを抑えてできるだけ多くの自動化を試したい
- ループ処理・条件分岐・データ加工など複雑なフローを組みたい
- エンジニア経験はないが、図解や視覚的な操作に慣れている
- ChatGPT APIなどAI系の連携を積極的に取り入れたい
Zapier がおすすめのケース
- できるだけシンプルに・すぐに使い始めたい
- 対応アプリの種類が重要で、マイナーなSaaSとの連携が必要
- チーム全体で共有・管理したい(Zapierはチーム管理機能が充実)
- 英語のエラーログを読み解くのが苦手で、シンプルな構造を好む
個人的な感覚では、「まず無料で試す → Make の無料プランで始める → 物足りなくなったら有料 Core へ」という流れが、副業・個人事業主にとって最もリスクが低い入り方です。Zapier の無料プランは月100タスクと少なく、すぐ上限に達してしまうため、まず Make で試す価値は十分あります。
Make が向いている人・向いていない人
向いている人
- コスパ重視で自動化の幅を広げたい人:月1,000 Ops 無料・Core プランで月1,600円前後という価格帯は、副業・スモールビジネス規模での自動化に最適です。
- 複雑な条件分岐・ループ処理が必要な人:「特定の条件に合致したデータだけ処理する」「複数のAPIを組み合わせてデータを加工する」といった複雑なフローは、Make のビジュアルキャンバスが真価を発揮します。
- Google Workspace・Slack・Stripeを日常的に使っている人:これらのグローバルSaaSとの連携は完成度が高く、安定して動作します。
- 試行錯誤しながら自動化を学びたいエンジニア気質の人:Make のキャンバスはデバッグしやすく、「なぜ動かないか」を探る過程で自動化の構造を深く理解できます。
向いていない人
- 英語が全く読めない・読む気がない人:UIが英語のみのため、基本的な操作に支障が出る可能性があります。Chrome翻訳を使えばある程度カバーできますが、エラー対応で英語読解が必要な場面は避けられません。
- LINE・Chatwork・freeeなどの日本製SaaSだけで完結させたい人:公式モジュールがなく、APIを直接叩く必要があるため、技術的ハードルが高くなります。
- 設定に時間をかけたくない・すぐに結果を出したい人:Make は学習コストが比較的高めです。「とにかく即日動かしたい」という方は Zapier の方が向いている場合があります。
- 日本語サポートを必要とする人:公式サポートは英語のみです。日本語コミュニティは成長中ですが、公式の日本語サポートチャンネルはありません。
デメリット・注意点・よくある失敗例
Make の3大デメリット
①学習コストの高さ
ビジュアルキャンバス型の操作は直感的に見えますが、データのマッピング・ループ処理・エラーハンドリングなどを理解するまでに一定の時間がかかります。特に「フィルター(条件分岐)」と「ルーター(分岐後の並列処理)」の使い分けは、最初は混乱しやすい箇所です。
②日本語UIがない
管理画面・設定画面・エラーメッセージがすべて英語です。Chrome翻訳で補えますが、機械翻訳では意味が通じにくい専門用語(”Bundle”・”Iterator”・”Aggregator”など)が頻出します。これらのMake固有の概念は、日本語の解説記事を読んで先に理解しておくことをおすすめします。
③日本製SaaSとの連携制限
LINE・Chatwork・freee・マネーフォワードなど、国内でよく使われるサービスの公式モジュールがほぼ存在しません。HTTP モジュール経由でAPIを直接叩く必要があるため、技術的な知識が必要になります。「ノーコードツールなのに結局APIの知識が必要」という落差は、日本人ユーザーがMakeに不満を感じやすい最大のポイントです。
実際に起きた失敗パターン3選
失敗①:Ops を使い切ってシナリオが停止
ループ処理を含むシナリオを組んだところ、想定の10倍以上のOpsを消費してしまい、月初に無料プランの上限1,000 Ops を使い切ってしまったケースがあります。シナリオ設計前に「最大件数 × モジュール数 × 実行頻度」で必ずOpsを試算する習慣をつけましょう。
失敗②:Connection(接続)の権限切れでシナリオが止まる
GoogleやSlackとの接続は、OAuthトークンの有効期限切れや権限変更によって突然切断されることがあります。特にGoogleアカウントのパスワード変更後に連携が解除されるケースが多発します。定期的に「Connections」画面から接続状態を確認し、期限切れの接続は再認証する習慣が必要です。
失敗③:テスト実行中のデータが本番環境に流れてしまう
テスト実行(Run once)は、実際のメール送信・Slack通知・スプレッドシート書き込みを本当に実行します。「テストだから大丈夫」と思ってそのまま実行し、顧客に誤ったメールを送ってしまったというケースが報告されています。テスト時は、送信先をテスト用メールアドレスやプライベートチャンネルに変更しておくことを強くおすすめします。
セキュリティ・データ取り扱いについて
Make のデータセンターはEU(チェコ)と米国に設置されており、GDPRに準拠した運用が行われています。日本国内の個人情報を含むデータを扱う場合は、個人情報保護法に基づく越境移転の取り扱いに注意が必要です。
具体的には以下の点を確認してください。
- 顧客の個人情報(氏名・メールアドレス・電話番号など)をMakeのシナリオ上で処理する場合、そのデータが海外サーバーを経由することをプライバシーポリシーに明記する
- Make のデータストア機能(シナリオ内でデータを一時保存する機能)には個人情報を保存しない
- 接続に使用するAPIキー・OAuthトークンは定期的にローテーション(更新)する
Make 自体はSOC 2 Type IIの認証を取得しており、セキュリティ水準としては一般的なBtoBサービスと同等です。ただし、「どのデータをシナリオに流すか」はユーザー側の責任であるため、機密性の高い情報の取り扱いには慎重さが求められます。
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まとめ:Make で業務自動化を始める最短ルート
この記事の要点
- Make は「コスパ重視の個人・副業ワーカー向けノーコード自動化ツール」。月1,000 Ops 無料、Core プラン月1,600円前後で複雑な自動化フローを構築できる。
- UIは英語のみだが、操作はビジュアル中心なため慣れれば問題ない。Chrome翻訳を活用し、日本語コミュニティを参考にしながら学べる環境が整いつつある。
- 日本製SaaSとの連携には制限あり。LINE・Chatwork・freeeは公式モジュールがなく、APIを直接叩く必要がある。kintoneは例外的に公式対応。
- Zapierと比較するとコスト面で優位、複雑なフロー構築も得意。ただしアプリ数・操作の簡単さではZapierに軍配が上がる。
- 失敗を防ぐには「Ops試算・テスト環境の分離・接続状態の定期確認」の3点が重要。
まとめ
Make(旧Integromat)は、ノーコードで業務自動化を実現できる強力なツールです。アカウント登録からシナリオ作成、テスト実行まで5つのステップで完結し、初心者でも30〜60分あれば最初の自動化を動かせます。保存忘れやデータマッピングミス、トリガーの最大処理件数といった初心者がつまずきやすいポイントを事前に押さえておくことで、スムーズに活用を始められます。問い合わせフォームの自動登録やStripe決済の記録、SNS自動投稿など、副業やスモールビジネスで即活用できるシナリオも無料プランから構築可能です。
よくある質問
Q. Makeの無料プランでどこまでできますか?
無料プランでは月間1,000オペレーション(Ops)まで利用可能で、2つのアクティブシナリオを作成できます。問い合わせフォームの自動登録やSlack通知など、基本的な自動化シナリオは無料プランで十分に構築・運用できます。クレジットカード登録なしで即日利用開始できるため、まずは無料プランで試してみることをおすすめします。
Q. MakeとZapierの違いは何ですか?
Makeはビジュアルなキャンバス上でシナリオを構築できるため、複雑な分岐やループ処理を直感的に設計できる点が特徴です。Zapierはシンプルな線形ワークフローに強く、初心者にとってはとっつきやすい面があります。料金面ではMakeの方がコストパフォーマンスに優れており、同じ処理量であればMakeの方が安価に運用できるケースが多いです。
Q. プログラミング知識がなくてもMakeを使えますか?
はい、プログラミング知識がなくても問題なく使えます。Makeはノーコードツールとして設計されており、ドラッグ&ドロップ操作でアプリ同士を接続し、データのマッピングもビジュアルに行えます。ただし、HTTP モジュールを使った API 連携や複雑なデータ加工を行う場合は、JSONの基礎知識があるとよりスムーズに設定できます。
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よくある質問
Q. Makeの無料プランでどこまでできますか?
無料プランでは月間1,000オペレーション(Ops)まで利用可能で、2つのアクティブシナリオを作成できます。問い合わせフォームの自動登録やSlack通知など、基本的な自動化シナリオは無料プランで十分に構築・運用できます。クレジットカード登録なしで即日利用開始できるため、まずは無料プランで試してみることをおすすめします。
Q. MakeとZapierの違いは何ですか?
Makeはビジュアルなキャンバス上でシナリオを構築できるため、複雑な分岐やループ処理を直感的に設計できる点が特徴です。Zapierはシンプルな線形ワークフローに強く、初心者にとってはとっつきやすい面があります。料金面ではMakeの方がコストパフォーマンスに優れており、同じ処理量であればMakeの方が安価に運用できるケースが多いです。
Q. プログラミング知識がなくてもMakeを使えますか?
はい、プログラミング知識がなくても問題なく使えます。Makeはノーコードツールとして設計されており、ドラッグ&ドロップ操作でアプリ同士を接続し、データのマッピングもビジュアルに行えます。ただし、HTTP モジュールを使った API 連携や複雑なデータ加工を行う場合は、JSONの基礎知識があるとよりスムーズに設定できます。







